前回の補足です。積立投資は長く続けるのが大切です。
10年・20年・30年・40年と中長期で積立投資を続ける間に、株式市場はよく下落します。
下落を避けようと思っても、下がるタイミングを見極めるのは非常に困難です。
積立投資をする人は、その下落期間を「量」を買い込むチャンスと解釈し、続ける事が大切です。
株式市場の下落に関して、参考になるデータを紹介します。
過去の下落局面について


出所:キャピタル・インターナショナルのレポートより抜粋
これは世界で2番目に古くからある運用会社キャピタルの日本法人のレポートから抜粋しました。
(キャピタルといえば、1973年から運用されているアメリカンファンズが超有名です)
上の図は、1988年から2015年までの27年間の世界株式の下落局面に関するリサーチです。
5%以上の下落は1年に約2回、10%以上の下落は2年に約1回、15%以上の下落は4年に約1回、20%以上の下落は6.75年に約1回です。
平均下落期間を見ると、下落幅が大きいほど回復までの期間が長いのがわかります。
27年間の下落の”のべ総数”:約78回

単純計算ですが、27年間で5%を超える下落はのべ78回ありました。
・5%以上:54回 (27年×2回)
・10%以上:13.5回 (27年÷2)
・15%以上:6.75回 (27年÷4)
・20%以上:4回 (27年÷6.75)
合計:78.25
実際には長い下落期間の中で細かい下落期間が含まれているので話はもっと複雑ですが、それでも27年間で約78回も下落局面と認定される期間があったのです。
仮に30歳の人が30年間の積立投資をする時、大小含めて数十回の下落局面を経験することになるでしょう。
キャピタルのレポートに「株式市場の下落は、よくある一時的な出来事」と書かれていますが、その通りです。
そんなこと、逐一気にしないのがベストです。
積立投資は、下がれば下がるほど強くなります。
筋トレみたいなものです。
何十回も下落するのは、それだけ将来資産を増やすエネルギーを貯めているのです。
多くの人は積立投資を「誤解」しているから教えてあげよう!

まだほとんどの日本人は、積立投資を「誤解」しています。
「上がったら儲かり、下がったら損する」ギャンブル、価格当てゲーム、タイミングを見計らって行う等、勘違いしています。
その勘違いを解いてあげましょう。

確定拠出年金の導入企業、イデコやつみたてNISAをスタートする人も増えています。
あなたの周りのお友達・同僚・ご家族に、本当の積立投資の特徴を教えてあげましょう!
今後、日本人は自助努力による資産形成が必要になります。
しかし、積立投資をきちんと理解している人はまだほとんどいません。
積立投資の「量」の視点を周りの人に教えてあげて、積立投資に対する「誤解」を解いてあげましょう!